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2013年04月15日16時41分

入居者紹介「Gorai’インタビュー」vol.6

日本インクルーシブ教育研究所 代表 中谷 美佐子さん
【特別支援教育】

中谷さん本人2.jpg

プロスキーヤー、局アナを経て、「発達障害」支援の道へ。

東広島市出身の中谷さん。子どもの頃は、自然に恵まれた環境の中でのびのび育った。京都の女子大学を卒業後は、プロスキーヤーとして渡米したが、その後、広島のテレビ局を経、フリーでテレビ制作に携わる。
テレビ局では、経済番組のキャスターも務めた。26〜7歳の頃。華やかに見えるキャスターの仕事だが、現実は厳しい。上司から罵声を浴びるのは茶飯事で、被害者の親御さんにコメントを求めたり、時には、癒着などのナイーブな問題にも土足で踏み入り、インタビューを取らねばならない。
「組織が苦手だった」と、中谷さん。
しかしその経験は、人と距離をおかずに飛び込み、交流できる、中谷さんの強みとなった。

中谷さん牛来さん.jpg

「発達障害」とは。

2001年頃、不登校やひきこもりの子どもたちの取材をしている時に、ひょんなことから「発達障害」を知った。
発達障害とは「自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するものとして政令で定めるもの」<発達障害者支援法より> 
特徴としては、以下の4つに現れる。
・コミュニケーションが困難
・対人交渉が苦手
・こだわりが強すぎる (融通が利かない)
・感覚過敏 (聴覚過敏、臭覚過敏、視覚過敏など)
たとえば、聴覚過敏だと、時計のカチカチという音が気になって、人の話が聞こえていなかったりする。
「なんで先生の話が聞けないのか!」と学校でよく叱られる生徒の中には、もしかしたら「発達障害」の子どもがいるかもしれない。

最近では、「大人の発達障害」も増えているという。
子どもの頃から、自分が“普通“だと思って育てられてきたのに、ある特定の分野において困難が見られるケース。
たとえば、出張のスケジュールが急きょ変更になった時に対応できない、お釣りの計算ができない、時計の針が読めない等。
成績優秀なのに、仕事ができない・・・
本人も周りも気づいていないので、「どうしてオレはこうなんだ」と自分を責めてしまい、会社に行けなくなってしまうこともあるという。

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「発達障害」への理解を広めたい。

専門知識を得ようと、いろんな本を読んだ。
発達障害の子どもをもつ保護者や、支援者の声にも耳を傾けた。
そして、疑問が残った。
社会の「発達障害」に対する理解が無さすぎる!!!
家族でさえ、勉強の場が無く、自分で本を買って勉強するしかない。「どの本を選んだらいいか」「どの情報を得ればいいのか」すらわからない。
福祉サービスのヘルパーさんや学校の先生も、どうサポートすればいいのか、その術を知らない。
これが現状なのである・・・
「発達障害」について、もっと多くの人に知ってほしい!
正しい理解を広めたい!
支援者を育てたい!
中谷さんの中に、そんな思いが沸々と湧いてきた。
2010年、発達障害の個性を伝えるアナウンサーとして、発達障害への正しい理解と通常学級における特別支援教育の啓発活動を開始。
そして2012年3月3日、日本インクルーシブ教育研究所を開所。自閉症スペクトラム(ASD)や、ADHD、LDなどの発達障害への正しい理解や特別支援教育、障害特性に合った支援方法を進める活動を本格的に始めた。

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知ってもらい、サポートする方法を教える。

日本インクルーシブ教育研究所では、「発達障害」をテーマに、様々な講座を開催している。
「発達障害を知ってもらう」ためのセミナーは、小児科医や専門機関の研究院等から講師を招き、家族や支援者、教員等を対象に開催。「発達障害」を正しく理解することで、関わる人が自分自身の心を穏やかに過ごすことにも繋がっている。
「自閉症スペクトラム支援講座」では、支援者を育てるための方法と、考え方、具体的なサポート方法について、専門家を招き、指導。支援者を養成している。
「ソーシャルライティング講座」は、耳からの理解が難しい人のために、特性に合わせた文章の書き方を、支援者が学ぶもの。
一般的に、人は何かを相手に伝えようとすると、指導文を多く書きがちになる。「ああして欲しい、こうして欲しい」とあれこれ要求されると、その内容を読む側は嫌な気持ちになる。また、日本人はあいまいな表現をすることが多く、言葉を言葉通りに受け取ってしまう自閉症スペクトラム(発達障害のひとつ)の人達には伝わらない。こういった発達障害の人達の気持ちに配慮して彼らが理解しやすい表現を知ることで上手くコミュニケーションがとれるようになる。

中谷さん本人3b.jpg

当面は、教師や支援者を対象にしたセミナーを中心に展開。
医師や作業療法士、言語聴覚士、研究者などの専門家を講師に招き、まずは発達障害への基礎理解からすすめている。
奥深い「発達障害」を知り尽くすには、長い時間を要すだろう。
活動を続けるには、
「資金面も、人材面も、課題は山積み」
と、中谷さん。
確かに今は始めたばかりで、大変。
しかし続けることで、これからもっと多くの人が共感し、力となってくれることだろう。中谷さんの一所懸命な姿を見ていると、応援せずにはいられない、そんな気がしてくる。

「多数派」か「少数派」か。

「シリコンバレーで働く人の中に、「発達障害」の人は多い」と、中谷さん。特化した能力を発揮する芸術家や、タレントにも多いのだとか。
「発達障害」の人はたくさんいるが気づかないだけ。だとすれば、今は、多数派だから”普通”と思っているけれど、数が逆転すれば、どちらが”普通”かも逆転する!!!?
そんな問題提議もする。
「私たちは生まれてから死ぬまで、ずっと発達し続ける。しかし、発達過程において完璧に発達をとげる人等いなく、誰しもが何らかの障害を来すもの。そう考えると「人類、みーんな、みんな発達障害」とも言えるのでは」と、中谷さん。

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すべての人が個々の特性を活かすことができる社会の構築を目指し、将来は、「発達障害」の人の就労支援をしたい。
そのためには、発達障害者は平均的な人の特性を知らなければならない。一方、企業は発達障害者のすばらしい特性を活かすために、発達障害者を理解し合理的配慮をする心構えが必要。
「発達障害」の人の養成と、企業向けの啓発セミナーを実施し、仕事をマッチングしていきたい。


そしていつかは、自然食レストランを出す。
「発達障害」の人が、個々の能力に合った仕事で、その力を発揮できる場所・・・ある人は農薬や化学肥料を一切使わない自然農法で野菜や果物、米をつくる、ある人はその繊細さで美味しい料理を作り、ある人はお皿を洗う、またある人はその芸術的センスで看板やチラシを作り、ある人はこだわりの新しいメニューを提案する・・・。そして、子育てに疲れきった親がほっと一息つくことができる場所がある。お茶やお菓子を楽しみながら発達障害について勉強出来る講座が常時開かれている。その横には子ども達が楽しみながら感覚統合(※)ができる遊具や運動器具が設置されたスペースがあり、専門家が子ども達を責任持って見てくれる。そんな発達障害の人達の得意なところを活かし、苦手なことを互いに補い合うことができる職場をつくること。それが、中谷さんの夢である。
※字を書いたり、人の話を聞いたり、友達と遊んだりするときには、いろいろな感覚情報を脳が無意識に処理する。感覚には、固有感覚(身体の動きや手足の状態の感覚)、前庭感覚(身体の傾きやスピードの感覚)、触覚、視覚、聴覚などがある。これらの感覚を、整理したり統合(まとめること)したりする脳の働きを感覚統合という。


中谷さん牛来さん2.jpg

インタビュアー : (株)ソアラサービス 代表取締役社長 牛来千鶴



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posted by SO@R at 16:41 | 広島 ☔ | Comment(3) | TrackBack(0) |  ●入居メンバー紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
お二人の女性の生き生きとした御写真に
まずは、元気をちょうだいしました。

私は偶然にも中谷と大学の同窓です。
そして、偶然にも
私も発達凸凹に興味を持ってます。

教師として、
困っている生徒や保護者、
そして
困っている先生方も一緒に
お勉強したいと思ってます。

こころは中谷さんと通じているつもりです。

が、
まだ
一度もお目にかかったことがありません。

嬉しいネットワーク、
すばらしいブログに感謝です。

ありがとうございます。
Posted by ベティ at 2013年04月18日 09:49
こんにちは。
発達障害について、断片的にしか知識がないのですが、発達障害のお子様に英語を教えております。お子様が、日本語より、英語の方が集中できるからという理由で私どもENGLISH SCHOOL cocoroにご入会下さったのですが、講師側がもっと発達障害についてきちんとした知識を持ち、サポートしていく事が、発達障害の生徒様と講師の双方により良いと考えますでの、宜しければ、お話を聞いてみたいと思うのですが、そのような事は可能でしょうか。
どうぞ、よろしくお願いいたします。
Posted by 野村 直美 at 2013年04月18日 17:56
ベティさま
コメントありがとうございます。
私も多くのことを学びました。

野村直美さま
コメントありがとうございます。
詳しくはメールもしくはお電話でやりとりできればと思います。
どうぞお気軽にご連絡くださいませ。
お問合せ方法は下記をご参照くださいませ。
http://soa-r.net/contact.html
Posted by ソアラサービス岩本 at 2013年04月18日 18:16
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